limbo_paradiso’s blog

狂気の淵にて君を待つ

大東祭と、世界中に花束を

先日の記事では、2013年10月のアナザーワールドエクスプレスツアーについて書きました。その後割とすぐにですね、バックホーン欲を我慢できなかったらしく、大学祭のステージでやるタイプの小規模のライブにも行っています。メモに日付を書いてませんでしたが、11月3日とかです、確か。Zeppのライブが10月31日だったので、本当にすぐですね。よっぽどライブに行きたかったんだと思われます。

なので今回は、学祭ライブの感想と、そのメモの中で少し言及があったので、「世界中に花束を」という曲について少し詳しく書こうと思います。


2013年11月初旬に行ったのは大東文化大学の大東祭で、招かれていたのはバックホーンだけでなく、Base Ball Bearとのツーマンでした。ベボベについてはほとんどメモになかったので申し訳ないのですが…以下当時のメモになります。


大東祭

ベボベパート
途中でギターのしょうへいさん?のダンスパート(湯浅ダンスというらしい)があって、それが印象に残ってる!すごい面白かった…ダンス…ギターのダンスパートがあるバンド、良いな、自由だ
せっかくならバックホーンとも一曲ずつとかコラボして欲しかったけど、学祭とかではさすがにやらないのかな

バクホンパート
1.涙がこぼれたら
2.声
3.罠
MC
4.ガーデン
5.美しい名前
MC
6.バトルイマ
7.コバルトブルー
8.シンフォニア
9.刃
アンコール
10.世界中に花束を

MC
マツ「全然関係ないんだけどぉ…」
岡「全然関係ねえんだ!笑」
マツ「前、この辺に住んでて歌詞が出来なかったときにふらふらしてたら東武練馬の駅に着いたのね。それで、結構この辺広いから帰ろうと思ってコンビニの人に「西武遊園地方面に帰りたいんですけど」って道聞いたら「東北から来たんですか?」って。まさか今福島から来た訳無い…笑」
栄「俺、よく道聞かれるよ!」
栄「自分もよく聞くし、聞かれるんだよね、こんないかついのに!ヒゲ生やしてるのに!笑 土地勘ありそうって思われてるのかねぇー。俺すげえ方向音痴なんだよ、でも俺親切だから一緒に途中まで行ったりすんだよね、で、迷う!笑」
マツ「その頃はネットもまだあんまりない時代でしたからね…今だったらね、スマホの地図で調べられますしね!写真とってここ何処だかわかりますかー?!とかね!」
岡「いや地図で調べろよ」たしかに

・山田とマツの喋り出しがかぶる
山「えぇ、、あ…」
マツ「ぇー!」
山「あ、どうぞどうぞ」
マツ「あっいやどうぞ…」
客席を振り返って
山「曲入りづらくなったよなぁ…笑」
山「えー今、THE BACK HORNの一番新しい曲です!」
→バトルイマ

・栄純の素ボケがいい味を出していた
岡「学祭のスタンディングいいよね」
栄「これがいいよね!(バスケットのゴールを指差す)」
岡「なんか玉座みたいだよね!」
栄「大学のゴールってこんな高いとこにあんの?凄いね!」それ上に畳んである状態のやつでは
岡「いや、通常はあの高さなんじゃね?(傍にある普通の高さのゴール指差す)」だよね

・アンコールの山田MC
山「音楽はいいね…楽しいときも悲しい時も寄り添ってくれてさ…俺は…音楽に助けられてきたから、みんなもいろんな音楽をきいて欲しいよ……って、言われなくてもわかってるんだよな…!(髪をかき混ぜながら照れ)」
山田のMC、たどたどしいけど真摯で一生懸命で大好きだなあ

・開演前に隣の女の子2人組?が、バクホンはボーカルの人の動きがすごい、ライブ映像見るべき、って言ってて、うんうんって心の中で勝手に頷いてた
山田の動きってやっぱり独特で、右手にマイク左手にマイクコード、スピーカーに右脚置く基本スタイルとか変なダンスもそうだけど、特に左手の動きが、あれだけでも全身で歌ってる感じがしてすごく好きだなあ。胸をがしってしたり振り下ろしたり、世界を撃てでは銃の形作ったりとか、昔に比べて左手のジェスチャーがより分かりやすく感情を乗せる装置になってる気がする。しい名前とか花束とかでスタンドマイク使う時は両手での表現も秀逸だし
あと、2001-6年くらいの映像見るといい意味での若さゆえの固さがあったと思うんだけど、今は動きが力強さもありつつ柔らかくしなやかになったような感じ

曲感想
・アナザーの時とはかなり変えてくれてるセトリ(マニアック要素薄め定番曲主体のリヴスコール寄り)で、聴きたいと思ってた念願の世界中に花束をやバクホンを知るきっかけになった罠みたいな感慨深い曲が入ってて本当にありがたかった…

・ガーデンからの美しい名前の流れ、アンコールの世界中に花束をは感動した~
この3曲のようなバラードに入る直前の、あの緊張感のある静寂は特別だなって思う…なんだかあの静けさがすごく心に残ってる
山「また会いましょう、THE BACK HORNでした」→花束
なんでこれだけで泣きたくなるくらいかっこいいんだろうなあ…

・世界中に花束を
やっぱりCメロの、ベース一本をバックに歌ってるところが大好きで…胸がいっぱいになりました。この曲は本当に優しい、悲しみに寄り添うということを体現している…

・バトルイマかコバルトブルーか刃か忘れちゃったけど、山田が観客にマイク向けてコーレス煽ったときがあって、いい声もらったからかその直後に満足げに微笑んで頷いてたのがめちゃくちゃかわいかったし嬉しかった!


以上が当時のメモですね。
メモにも少し書いてあった「世界中に花束を」という曲について、大好きで、沢山思うことがあるので、蛇足を。
この曲は、2011年の東日本大震災を受けて、その直後の3月30日(なんと約半月後)に売上の全てを被災地へ寄付するものとして、配信限定で緊急リリースされたものです。震災当時、私はまだバックホーンの活動を追っていなかったのですが、2013年にバックホーンを聴くようになった時、「世界中に花束を」とこれが収録されているアルバム「リヴスコール」は、このバンドは信頼できるバンドである、という思いを自分に抱かせる、非常に重要な作品になりました。
震災を受けて、チャリティーソングを作ったアーティストが数多くいたと思います。その全てを把握しているわけではありませんが、後追いで「世界中に花束を」を聴いた時、一般的な応援ソングとはだいぶ異なる立ち位置の曲だな、と感じました。震災で傷付いた人々を奮い立たせる、勇気付ける、というより、そのもっと前の段階、「巨大な悲しみを悲しみとして受け入れる」こと、その感情を無かったことにしないための、記録と、記憶と、鎮魂の、祈りの歌だと思いました。タイトルの通り、「献花」の歌だと。あるいは、楽曲に対する表現としては変かもしれませんが、「黙祷」に近い曲だと思ったのです。
当時そういう曲を作ったアーティストは、他にいたでしょうか。いたかもしれませんが、私はあの時震災に対して、から元気でなく、祈りの態度を取ったアーティストを初めて知りました。なんて真面目な人達なんだろうと思いました。それは私にとってはとてつもない衝撃で、救いであり、信頼を寄せるに足る事柄でした。
そしてこの曲の献花は、間違いなく、母を亡くしたあの頃の私にとっての献花でもありました。
私はオタクなのでその時々で大好きな物事を「推し」ていますが、推していて良かったなあと思う瞬間というのがオタクなら誰しも(おそらく)あると思います。もちろんオタクでなくとも。その「推していて良かったなあ」という幸福な瞬間をバックホーンでは数え切れないほど体験していますが、その瞬間の最初期というのが、「世界中に花束を」という曲に関するアレコレだったように思います。
ということを、学祭のメモを見ていて何となく思い出したのでした。

この献花と祈りのイメージは、次に載せる予定のシングル「バトルイマ」のレビューのメモにも出てきていたので、引き続き次回も触れることになると思います。